宝塚記念 辛口馬体診断

ハットトリック 94点
抜群の毛艶が目を引く好馬体。シャープにまとまった馬体からは、引締まった筋肉に調子の良さそうな内臓面が伺える。トモが若干落ち気味なのがマイナス材料で満点は付けれないけど、この全体から漂う雰囲気から状態はピークに近いと思います。うん、良い馬体です。今回出走するメンバーを見渡して、ハットトリックと同じレベルの状態で勝負をかけている馬はいません。この高得点は今回他が悪すぎるからという事もありますが、雨予報が外れて良馬場なら距離関係なくかなり期待出来るのではないでしょうか。

ディープインパクト 80点
さすがに海外を前にしているだけあって、絶好調では持ってきませんでしたね。全体的に余裕残しの馬体で、反動が出にくい馬体に仕上げています。胸筋から首周りにかけては幼さが抜けてゴツゴツとした古馬の風格が出てきました。背中の筋肉の付き方にラインとさすが名馬と呼べるレベルです。トモはまだパンとしていないのは天皇賞春をあれだけの時計で走ったのだから仕方ない結果だと思います。それでいてこの状態を保っている事の方に驚きを覚えます。

カンパニー 72点
ちょっと太いですね。パンと実の詰まったトモに前脚の付根の筋肉の付き方などは十分評価出来るものなのですが、まだ途上という感じです。調子自体はまずまず良い状態だと思いますが、G1での戦いという事を考慮すれば本番までにどこまで引締まった体で出てこれるかがポイントです。もし現状のままでの出走であれば直線弾けない可能性が高いです。

ダイワメジャー 70点
さすがに状態は安田記念に比べて落ちているけど、走れる状態だと思います。トモもまだギリギリ保っているし、シャープに引締まった胴回りもうっすらとアバラを見せて太め感はありません。胸筋はちょっと淋しいですが、そのかわり首周りの筋肉に関しては前走以上の状態だと言えます。上半身は力強さを保っているので、凡走した時に陣営から出る言い訳は距離だけだと思います。

シルクフェイマス 68点
意外にもよく見えるのがこのシルクフェイマス。年齢的なものから力強さは無くなっていますが、筋肉の付き方バランスに年の割りに好状態の皮膚。太め感のない馬体はシャープに引締まって悪くないです。安田記念のテレグノシスと似たような状態でしょうか。現状で出来る限界の仕上げで挑んできていると見て良いと思います。

バランスオブゲーム 60点
この馬の全盛期を知っているだけに今のこの馬体は悪くはないけど、この馬としては決して良い状態ではありません。哀しいことに人も馬も年には勝てないという事を思い知らされます。過去を忘れて今この馬体だけを評価すると、背中から腰周りそしてお尻にかけてのラインがとても良い状態です。ふくらはぎ付近は少し落ち気味だけどそう悲観するレベルまではいっていません。胴回りは少し細いかなと思うけど、昔の高齢馬と違って、最近の高齢馬は各陣営共々シャープに作りこむ傾向が強く、もしかするとこれが最近の高齢馬の好走の秘訣なのかもしれません。胸筋は無いけど、前脚の付根の筋肉はまだ保っている。正直そう悪くないと思います。

リンカーン 56点
皮膚は薄く状態は悪くないと思うのですが、全体的に力強さが足りない馬体です。人間にもある調子は良いのに体が思ったより付いてこれていない状態でしょうか。天皇賞春で反動が出たのではないでしょうか?今まで年齢を感じさせない馬体をしていたのに、今回は一気に老けた感じさえします。ここにきて年齢的衰え!?トモの状態も腰周りから尻尾にかけては何とか及第点ですがふくらはぎ付近から垂れ気味に落ちていて、胴回りも緩く、胸筋は迫力不足。背中から首周りにかけての雰囲気は良い状態なので、この10日間でどこまで状態を上げてこれるか陣営の腕にかかっていると思います。今のままパドックで歩いていたらスパっと消したくなります。

アイポッパー 53点
全体的な筋肉のバランスが崩れているように見えてトモもパンとしていないし、どことなく太め感というか緩め感があります。どこが悪いのかな?と部分的に見ていくと特に目立つのは腰周りの筋肉の付き方。前走後に馬場が悪い状態で好走した反動出たと見てよいのではないでしょうか。

トウカイカムカム 50点
この馬としての状態で見るともっと高得点、75点ぐらいを与えられる馬体をしています。でもG1で、他の馬の馬体と比べていくとこの評価になります。丸みのある胸筋にまずまずの背中、腰周りから尻尾にかけてのラインも上々。でも力強さがなく筋肉も足りない。馬体からは1600万やOP級という評価。調子そのものは小柄な割りにタフなのか、まだ良い状態を継続していると思います。

コスモバルク 25点
皮膚は薄く毛艶もまずまずなのですが、ちょっと酷い馬体です。全体的に張りもなく筋肉も明らかに落ちています。トモは落ちて張りも丸みもなく、胴回りも内臓が垂れて、胸筋はペタンと影を潜めてG1を勝った馬には到底見えないです。ここから10日間でどんなに回復しても、走れる状態まで持ってこれるのか疑問です。良い点は顔の表情から見える馬のヤル気でしょうか。私的には前走の海外G1勝利で人気が被ってくれたらいいなぁ~と思っています。